妊娠糖尿病→2型糖尿病の漫画家です

私は20代のころ妊娠糖尿病に2回なり、産後は一応正常型に戻ったと言われましたが知らない間に2型糖尿病に移行してしまったらしいです。

ひと口に2型糖尿病と言ってもじつはいろいろなタイプがあるようですが、とりあえず1型糖尿病ではなさそうな患者は2型糖尿病と診断されることが多いようですね。

父と弟も若年発症していることから「MODY(特定の遺伝子が原因で発症する糖尿病、生活習慣とは無関係)ではないか?」と知り合いの医師から言われたこともありましたが、遺伝子検査をしていないので分かりません。


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ともかく、糖尿病の当事者である漫画家なわけです。糖尿病が発覚してからブログを開設し、糖尿病について学べる漫画を描いて載せたり、糖尿病内科が舞台の商業漫画も出しました。

「医学の知識なら医師がいちばん持っているはずなのに、医師でもないのになぜわざわざ糖尿病の漫画を描くの?」と思われるかもしれません。

じつはどうしても「描かなければいけない」と思った理由があるのです。今回はそんな話です。


マニュアル的な情報では救われない患者がいる

病気によっては「病院できちんと治療を受ければスッキリ治る」というものもあります。そのような病気であれば「ちゃんと通院しましょう、治療時には生活ではこういうことに気を付けましょう、終わり」でOKなんです。

しかし残念ながら糖尿病はそのような類の病気ではありません。1型糖尿病・2型糖尿病・その他のタイプの糖尿病もすべて「病院で治療すればスッキリ完治」という病気ではないのです。

「暴飲暴食しまくって2型糖尿病になりました。まだ糖尿病合併症はないです」という方なら教育入院するだけでも血糖値が劇的に下がるかもしれません。


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安田大サーカスのクロちゃんはそのタイプで、最初はかなり血糖値が高かったのが糖尿病教育入院して退院時には数値が正常値になったそうです。

医師たちは「食べ過ぎをやめてバランスよく食べて歩きましょう」なんて言います。でも、そういう一般的なマニュアル的な情報だけでは救われない患者もいるのです。

私は、糖尿病の標準治療を受けていて血糖値が良いのに失明した方・腎不全になった方・四肢を切断するに至った方を知っています。その方々は決して「治療を放棄して好き放題食べまくっていた」わけではありません。苦しむ人たちが「自己責任」のように言われて辛い思いをするのはとても辛いです。


糖尿病合併症で失明や突然死の恐怖を感じた患者だから

私は糖尿病を発症してから何年もの間気付かずにうっかり放置してしまい、いつの間にか糖尿病合併症にもなってしまいました。目・腎臓・神経すべてやられていました

11年前に糖尿病と診断されてからしばらくの間、朝起きると「ああ、今日も目が覚めて良かった」「今日も目が見えて良かった」とほっと胸をなでおろす日々が続きました。

私は基礎インスリン(食事とは関係なく24時間少しずつ分泌されているインスリン)も注射で補っていましたから深夜に低血糖になって突然死するのではないかと心配でした。






また入院中の糖尿病教室で医師から「どういうわけか、明け方に失明する人が多いんだよね」と言われました。だから毎朝起きるときに「目が見えなくなっていないか?」と怖かったのです。糖尿病だと失明することがある、と言う話は以前健康番組を観てからずっと怖かったので。

ただ怖い怖いと言っていてもどうしようもありません。怖さをなくすためには、病気ときちんと向き合って「安心できる状態」に持っていかなければ、そう思いました。

幸い目の状態はとても良くなり「ある日突然失明」なんてことが起きる可能性は限りなく低くなっています。とりあえず安心ですが油断は禁物です。



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糖尿病についてネットで調べればいくらでも情報は出てくる現代ですが、糖尿病合併症を持つ患者の心の機微などは当事者でなければなかなか分からないものだと思います。

私は父が若い頃から糖尿病でしたが、糖尿病患者の娘であってもなかなか分からないことはありました。糖尿病患者の妻であり母である私の母も分からないことはあると思います。

「本やネットで調べれば描けるような内容」ではない漫画を自分なら描けるのではないかと思ったのです。それはたとえ商業漫画には向かない(大衆受けするような売れるテーマではない)としても、自分が描かなくてどうするんだよと思うのです。

病気がどんどん悪くなって『糖尿病の末路』なんていうタイトルの漫画を描きたくありません。ある意味、健康な方たちは「悲惨な糖尿病の結末」を見たいのはこれまでの経験から分かります。他人の不幸は蜜の味、的な。あるいは怖いもの見たさと言うべきか。






でも私は糖尿病当事者として、他の患者さんたちの希望になるような体験談を伝えていきたいのです。「ほらね。糖尿病は怖い病気で、いったん糖尿病合併症になるともう悲惨な結末しか待っていないんだ」なんて嫌です。

どうか「糖尿病なんて私には関係ない」とは思わないでください。日本には一千万人の糖尿病患者と一千万人の糖尿病予備軍がいると言います。合計すると二千万人にもなります。今健康なあなたが5年後10年後にも今と変わらず健康で居られる保証はありません。

そしてあなたが健康だとしても、あなたの周囲にいるあの人は人知れず辛い思いをしているかもしれません。それは糖尿病のことを人々がよく知らないために起きることかもしれないのです。

「食べ過ぎをやめて運動しましょう」という言葉だけでは「あの人は食べ過ぎで運動しないから病気になったんだろう」という決めつけが生まれるかもしれません。きちんと通院していてもなかなか良くならない患者の苦しみも、当事者だからこそ伝えていけると思うのです。


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