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妊娠糖尿病を2回経験した主婦の体験記

2度妊娠糖尿病になり2型糖尿病になった女性患者のブログです。

果物はヘルシーだから妊娠糖尿病でも安心して食べてもいいの?

妊娠糖尿病で果物は食べてもいいか

果物はヘルシーだと思いがちですが…

みなさん、果物はお好きですか?私は子供のころから果物が大好きでした。祖母や母は「スナック菓子は健康に良くないから」とあまり食べさせてくれず、マクドナルドもお誕生日だけの特別なものでした。

しかし果物は「健康にいい」と言って朝とおやつの2回必ず出されていたのを覚えています。おかげで大人になってもずっと果物を食べない日はありませんでした。

果物が好きと言っても、たとえば1度にバナナ1房などめちゃくちゃな量を食べていたわけではありません。みかんは冬は1日3個ぐらい食べていたと思いますけど。。

 

果物色々

 

私は20代でまず妊娠糖尿病になり、30代で2型糖尿病になってしまいました。2型糖尿病に気づくのが遅れてしまって体調が悪化して入院したのです。

入院中に管理栄養士さんから「果物は1日に80kcal分は食べてもいいのよ」と言われて大喜びしましたが、退院して血糖測定を始めてみると、その程度の量の果物でもかなり血糖値が上がることが分かってガックリ!

果物は糖質量のわりにお菓子や砂糖よりは血糖値がいくらか上がりにくい傾向があるようです。なぜなら、果物に含まれている糖の何割かは果糖だからです。

では、果物であれば妊娠糖尿病の妊婦さんでも安心して食べても問題ないのでしょうか?今回はそんなお話です。

現代の果物は大昔の果物と同じではありません

まず考えていただきたいのですが、現在私たちが食べている果物は品種改良されてかなり甘くなっています。大昔のご先祖様が食べていた、あまり甘くなかったりすっぱかった果物とは違います。

お米も野菜も果物も、みんな人の手によって品種改良がされています。特に果物は甘いものがより好まれますから、糖度が高いことをウリにして販売しているものをよく見かけますよね。

それに大昔は果物は1年じゅういつでもたっぷり食べられたわけではなく、季節限定品だったはずです。厳しい冬が来る前に果物を効率よく体脂肪に変えて蓄えておくことがとても大事なことだったのでしょうね、当時は。

ところが現代では、品種改良してうんと甘くなってお菓子とそれほど変わらないものになった(江戸時代には果物は「水菓子」と呼ばれるようになりました)果物が温室栽培され、1年じゅういつでも食べられるようになりました。

 

 

果物にはビタミンやポリフェノールなど健康に良い成分も含まれますが、現代の果物は人工的に甘くされたものなので果糖が多いことによるマイナス面も大きいことに気を付けなければいけません。

「果物には食物繊維が多いから平気だよ」と思われるかもしれませんが、じつは1回に食べる量を考慮するとアボカド以外はあまり食物繊維が多いわけではありません

比較的食物繊維が多いリンゴでさえ、私はかなり血糖値が上がることを自己血糖測定で何度も確認済です。「果物だから大丈夫よね」と思わずに何度か測定してみましょう。

糖尿病で入院していた時、夕食後と比較して朝食後と昼食後は明らかに食後血糖値が大きく上がっていたのですが「あ、朝食と昼食には果物がデザートについていたからか」と気づくのにそう時間はかかりませんでした。

 

果物に含まれている糖は「果糖」だけではありません

果物といえば「果糖」というイメージがあるかもしれません。果糖(フルクトース)は、ハチミツや果物に多く含まれている、かなり甘い糖です。

血糖値は血液中の「ブドウ糖」の濃度なので果糖が直接血液に入って血糖値を上げるわけではありませんが、果糖は肝臓で中性脂肪に変わりやすく、また糖新生によってブドウ糖に変わります

妊娠糖尿病になるのは、胎盤から出るホルモンが血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを悪くするからです。もともとインスリン分泌能力が高くない女性は、この変化に対応しきれません。

そして、果糖を過剰に摂取すると内臓脂肪がつきやすいです。果糖とブドウ糖をそれぞれ多く摂取させると、ブドウ糖を摂取した被検者では皮下脂肪が増えましたが、果糖を摂取した被検者ではより内臓脂肪が増えて耐糖能が悪化したというデータがあります。

 

 

皮下脂肪は見た目はあまり良くありませんが、じつは内臓脂肪のほうがインスリンの効きを悪くして糖尿病が悪化しやすいのです。妊娠糖尿病にも良くありません。

あの悪名高い「果糖ブドウ糖液糖」は、トウモロコシなどから作られた糖液に含まれるでんぷんを酵素分解し、さらにその一部を果糖に変えたものです。

つまりブドウ糖と果糖が含まれる液状の糖で、これが非常に吸収されやすく血糖値を上げやすいということで健康上問題にされることが多いのです。

砂糖の主成分であるショ糖(スクロース)は、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が1分子ずつくっついているものです。

 

そして果物に含まれている糖は果糖だけではありません。収穫の時期や果物の種類によって多少異なりますが、果物には果糖のほかにショ糖やブドウ糖が含まれています。ブドウやバナナ、ブルーベリーなどはブドウ糖と果糖が同じぐらいずつ含まれています

「果糖ブドウ糖液糖や砂糖は健康に良くないけど、果物なら健康にいいから」と思いますか?その果物に含まれている果糖・ブドウ糖・ショ糖の割合を調べてみたことがありますか?

別に果物を食べてはいけないとか果物が体に良くないと言いたいわけじゃないんです。ただ、果糖ブドウ糖液糖や砂糖を避けるのに果物だけは全然気にしないなんて大丈夫かな?と思うのです。過去の私がまさにそれでしたが…

 

適量を考えて上手にいただきましょう♪

妊娠糖尿病の妊婦さんは一般的にはバナナ中1本ぐらいは1日に食べても良い量とされているようですが、妊娠糖尿病の妊婦さんは果物は1日2回程度、食べてもいい量はリンゴなら1/4個程度、バナナなら1/3本程度が目安だとおっしゃる医師も。

1日にバナナ1本ぐらいまでが適量で、それ以上は食べないほうがいいようですね。2型糖尿病の一般的な食事療法でも果物は1日に1単位(バナナ1本程度)と入院した時に習いました。

妊娠糖尿病の妊婦さんは赤ちゃんへの影響を考えて2型糖尿病の患者さん以上に血糖値を厳格にコントロールしなければいけないので、必要エネルギーが多いからと言ってその分果物をたくさん食べてよいわけではないのでしょうね。

お菓子を食べ過ぎたり清涼飲料水を飲んでしまうよりは果物のほうが良いのかもしれませんけど、妊娠糖尿病の妊婦さんは決して「山ほど果物を食べても良い」わけではないので適量を守っていただきましょう♪

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